2007年全日本の2戦目は茨城県の筑波サーキットでの開催。筑波サーキットの特徴は、全日本選手権の開催されるサーキットの中で一番小さく、1周僅か2キロしかない。そのため一周のラップレコードは1分を切るほどの短いテクニカルサーキット。
特徴的なのは、強くカントの付いたヘアピン状の低速コーナーが3つも有るところだが、バックストレート後の高速の最終コーナーはチャレンジし甲斐があり、タイムを詰めるのに非常に重要なコーナーだ。

前回のツインリンクもてぎで負った仙骨の骨折も、約一ヶ月の入院生活でほぼ癒え、短期間ではあったがリハビリを行い、筑波のレースウィークを迎えることとなった。
体調の方はマシンを走らせることについて基本的に問題はないが、1ヶ月間トレーニングが出来なかった為に,基礎体力の低下と体重の増加を招いていた。

退院数日後、短時間ではあったが筑波で事前テストを行う機会に恵まれた。前述の体力の低下には直面したものの、短い走行時間の中で好タイムを記録。上々のフィーリングを掴む事が出来ていた。レースウィークの金曜日にはART合同走行が行われ、1回目はグループ2番手タイムと上々のスタート。

2回目は違うタイプのタイヤテストと、それに合わせたサスセッティングに時間を費やした。
トータル7番手あたりのタイムをマークしていた。

5月12日土曜日 天気 晴れ 
☆公式予選1回目☆ 路面コンディション:ドライ 1’00”034 トップタイム
 

 

 

朝8時半から行われたGP125の予選A組1回目。

徳留は予選開始早々ハイペースで周回。リーダーボード3番手以内にポジションを終始キープ。

最終コーナーでの旋回中に問題を抱えてはいるが、それでも終盤には昨年の自己ベストタイム
1’00”8を0.8秒も更新する1’00”034をマークし、予選1回目Aグループをトップタイムで終了。病み上がりでは有るが好調をアピール。

続くBグループでも徳留のタイムを更新する者は現れず、予選1回目総合で暫定ポールとなった。

 

☆公式予選2回目☆ 
路面コンディション:ドライ 1’00”577 グループ4番手 ポールポジション獲得 

 

 

気温・路面温度共に上がった午後の予選2回目では、決勝へ向けてのマシンチェックに終始。足回りのセッティングも1回目と同じセットのままで望んだ。路面温度の上がった条件下でどのような変化が起こるか試す為でもあった。

タイヤ本数の関係で、リアだけしか新品へ交換出来なかった為、フロントタイヤのグリップと旋回性が悪く全体のバランスが欠けており、タイムアップが出来ない。

予選終盤には乗り方をアジャストしてタイムアップしていくが、クリアラップに恵まれず1回目のタイムを更新する事なく終了。そして、A・B両グループでポールタイムを更新しようとタイムアタックが行われたが、徳留が午前マークしたタイムを更新されることはなかった。

何と1996年のイギリスGPドニントンパーク以来、久々のポールポジション獲得!となった

 
     
5月13日 日曜日 天気 くもり 
☆ウォームアップ☆路面コンディション:ドライ 1’00”347  2番手

 

 予選日までの晴れた天候と打って変わって決勝日は曇り空。ウォームアップでは前後共に中古のタイヤを装着し、レースへ向けての最終チェックとなった。

日差しがない為、予選に比べ路面温度が10℃も低くフィーリングがピリッとこない。それでも2番手タイムをマークしウォームアップを終えた。

 



ウォームアップ

WU
☆決勝レース☆
RACE20
 


久々のフロントロー・ポールポジションについた徳留ではあるが、レース前に不安要素を2つ抱えていた。

1つはスタートの練習を何度が試したが、それがうまく行っていなかったこと。もう1つは徳留の指示不足で決勝タイヤにウォーマーがかかっていなかった事。路面温度が高ければまだ良いが、今日は曇り空で路面温度も低め、タイヤの温まりも遅い。せっかくのフロントロースタートであるが、タイヤが温まっていない序盤は必然的に我慢の走りを強いられる。

グリッド3番手の富沢が、朝のウォームアップでタイムを59秒台に入れており、レースでは序盤逃げられないように注意が必要なのだ。

 午前11時決勝がスタート。まずまずのスタートを切ることが出来、1コーナーを4番手でクリア。
序盤、前の3台は思っていた以上にペースが上がらず、その間にタイヤを暖める事に成功。トップ争いのペースは1’00秒前半から中盤で推移。

中でも2番手を行く富沢が6周目にトップに出たのを見逃さず、徳留も仲城をパスし3番手へ。
レース中盤に差し掛かった14周目には、ペースを上げれず再度2位に落ちていた富沢をパスし2番手へ順位を上げる。コーナー全般で速さを見せる徳留ではあるが、加速では離される傾向がある。特にトップを走る。岩田のマシンはストレートが速く、攻略に時間を要していた。そして20周目にその岩田をパスし初めてトップに立つと、予選タイムを上回る59秒台へペースを上げ引き離しにかかる。このペースに付いて来たのは岩田のみ。

終盤には3位以降と約9秒の差をつけることとになりマッチレースとなった。迎えた最終ラップ、それまで何とか必死についてきていた感のあった岩田が、1コーナー進入で徳留をパス。ファイナルラップの攻防は最終コーナーまでもつれ込んだ。コーナー進入スピードと脱出加速で一気に差を詰め再逆転に賭けた。しかし残念ながらほんの僅か及ばず、全く同タイムゴールながらかなり惜しい2位でのチェッカーとなった。

 
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徳留のコメント

 抜いた後岩田選手が頑張って付いて来ていたので、一度様子を見ることも考えましたが、パスするのに意外と苦労したので、自分のペース逃げようと思っていました。もちろん勝ちたかったですがしょうがないです。ちょっと組み立てミスでしたね。でも調子良くなり、ようやくレースらしいレースが出来るようになったし、苦手な筑波で予選ポール決勝も2位表彰台に乗れたことは嬉しいです。

 チームの皆が頑張ってくれたこと、ファンの皆さんの声援、支えて頂いている方々に感謝です。
次戦は相性の良い九州オートポリス!地元でもあり日本で一番好きなサーキット。
好調の波に乗ったまま力を発揮出来るようにがんばります。