006シーズンの総決算。全日本最終戦となるMFJグランプリの舞台は、世界屈指の鈴鹿サーキット。
もちろん徳留にとっては、ノービスの頃から慣れ親しんだホームコースである。
 
昨今、近代サーキットの大半が安全性の為に、ストップアンドゴーのレイアウトとなりつつある中、鈴鹿サーキットはある意味古典的でハイスピードなテクニカルコースである。
 
鈴鹿攻略の最大のポイントは、東コースの1.2コーナーからダンロップコーナーまでの登りのS字区間で、いかに速度を落とさず、リズミカルに駆け上がって行けるかがポイントである。また西コースにはヘアピンと新設されたMCシケイン、これまでいくつものドラマを生んだ最終コーナー手前のカシオトライアングルと、超低速のコーナーはあるものの、通称マッチャンコーナー(250R)やスプーンカーブ、高速の130Rなどの高速コーナーが数多く、安定したハイスピードコーナーリング性能が必要だ。鈴鹿ならではの約1キロあるロングストレートが2本もあり、エンジンパワーは勿論重要である。1周が5.8キロと国内の他のサーキットに比べて長いのも特徴だ。
 
前戦の岡山国際では、シーズン中ずっと抱えていたタイヤの跳ねをほぼ克服していたものの、ここスズカではハイスピードでなだらかなコーナーが続くレイアウトのせいか、再び激しいチャタリングに見舞われる事になった。

 

3月31日土曜日 天気 晴れのち曇り
 

曜の走行では「チャタリングレベル10」・・・。

45分間で行われた公式予選。コーナーリング中にプッシュアンダーとなり、リアに比べフロントへウエイトがかかり過ぎて、大きなハネを誘発させているのではないか?という判断で、これまでよりもリアの車高を大幅に下げて予選に望んだ。

その結果、「チャタリングレベル7」と若干改善している。 しかし、2コーナーからダンロップコーナーとデグナーカーブ・スプーンカーブと非常に重要なコーナーで問題を抱えていることに変わりは無く、特に東コースでのマシンの自由度は無い。

イメージする速度でコーナーへ進入すると、フロントタイヤの激しいハネとなって現れる。

エンジンは前回の岡山に比べて進化してはいるものの、やはり加速時に遅れ気味の感はある。 予選タイムは、最終ラップに2’21”178をマーク。グリッドは前回と同じ3列目9位となった。

 
 
☆ウォームアップ☆ 11月5日(日曜日)  晴れ 路面:ドライ 
 

勝日の朝8時過ぎからのウォームアップ走行では、ギアレシオをS字コーナーに合わせる為に3速を若干ショート目に変更した。

 足周りの問題について、予選でのセッティングから更にフロント荷重を減らすために、ステアリングステムをノーマルバージョンに変更し、フォークのオフセット量を大きくした。

その甲斐あって「チャタリングレベル4」あたりまで症状は緩和してきた。 タイムは2’21”830でこの走行8番手

 
 
☆決勝レース☆ 15周 晴れ 路面:ドライ
 
 


年最後のレース当日は秋晴れ。 絶好のレースコンディションの中、3列目アウト側9番手グリッドから、前回と同じく好スタートを切る事に成功。
1コーナーへは6位で進入。途中1台にパスされ7位でコントロールラインを通過。自己ベストタイムを更新しながら踏ん張るが、ペースの上がったトップグループにじわじわ離される。 中盤以降は5台での6位争いとなった。

マシンの足回りの状態は若干改善してはいるが、コーナーで自由度が無いのには何ら変化は無い。ストレートスピードも伸びず加速も辛い。 終盤、単独6位を走るライダーに若干水を空けられてはいたものの、残り数周最後の力を振り絞り、じわじわと追い詰める。しかし最終ラップに後ろを走るマシンに直線でパスされ、前を塞がれたまま順位の入れ替えが出来ず、結局8位でチェッカーを受ける事になった。

 
 

final

 
徳留のコメント

「足周りエンジン含めてマシンの仕上がりは良くなく、またまた辛いレース展開でした。最後のパッシングもうまく行かず残念なレースでした。しかしタイムは予選での自己ベストをレース中に度々更新することが出来、置かれている状況の中でやれるだけやったと思います。

 今シーズンは開幕一ヶ月前に、昨年までのGP250クラスから急遽GP125クラスへコンバートとなり、開幕前のプレシーズンテストなど一回も出来ないまま、開幕戦もてぎでホンダRS125ぶっつけ本番となりました。基本的なマシンセッティングなど出ていない状態でのレースが続き、成績も全く満足できるものではありませんでした。

また自らほぼ全て持ち出しのレースで、予算的にも負担が大きく大変なシーズンとなりました。 所属チームであるFRSも出来るだけのバックアップをしてくれました。しかし最高位はSUGOと岡山の7位。年間シリーズランキングは、2回のノーポイントレースもあって11位となりました。

 レース翌日の月曜日。RIDING SPORTS誌の企画の中で、チームメイトのマシンを始め他のマシンに乗る機会に恵まれました。昨日のレースまで乗っていた僕のマシンに比べると、仕上がりが非常に良く、特に車体はライダーを攻める気にさせる接地感があり、これならいいレースが出来る!と感じ、さらに来シーズンへの期待も持てました。

来シーズンの計画は今のところ未定ですが、もっと当たり前にレースで勝つための準備、体制作りをしてレースに臨みたいと思っています。 今年一年、皆様のご支援、ご協力やご声援、本当にありがとうございました。」