2016シーズン開幕!

新しいシーズンの開幕の舞台は茨城県筑波サーキット。昨年9月集中豪雨による河川の氾濫によりサーキット近隣地域は大きな被害を被り、9月末に控えていた全日本選手権の開催は見送られていた。
今回の筑波での全日本開催は2013年以来、実に3年ぶりとなる。

徳留自身が中心となりTome Team PLUSONEとして参戦していた昨年までと体制が変わり、今年はCLUB PLUSONE本体からのエントリー。
メカニックには元全日本トップライダーで、メカニックとして3度の全日本チャンピオンとなった藤岡祐三氏。
徳留にとってはこれまで以上に走りに集中しやすい体制となった。
しかしながら、この冬に古傷が悪化。シーズンオフのテストは全てキャンセルせざるを得なかった。窮屈なレーサーのポジションに膝が思うように曲らないのでは、マシンに跨がることすら出来ないからだ。
治療を重ね、昨年の最終戦以来マシンを走らすことが出来たのは開幕直前の事前テストとなった。走り始めは痛みの為連続で走れる周回も僅か5周ほどと短かったが、走る毎に連続周回数も増え総合4番手タイムで二日間のテストが無事終了。
レースウィークに入り、金曜日のフリー走行では1’00”5で4番手タイム。トップのタイムは1分を僅かに切り59秒の後半である。
MFJ ONLINE MAGAZINE
ブリヂストン
HONDA



4月9日 土曜日 天気:晴れ 路面コンディション:ドライ
公式予選  3位 1’00”167
9時から行われる40分間の公式予選。
コーナー進入時の安定性と旋回性改善の為にリアサスのセッティングを変更し、フリー走行からのユーズドのタイヤを装着したまま確認を行なう。
セッティングの変更が良い方へ向かったのか、使い古したタイヤながら自身の昨日のタイムを更新する1’00”4で3番手あたりにつける。
予選時間残り20分でピットへ戻り前後のタイヤを新品に交換。他のライダーからのマークもきつく、間合い取りやコースが混んでいる中のアタックとなったが、1’00”167までタイムを詰め3番手に浮上。当面の目標でもあった59秒台に入れることは出来なかった。
加速や減速の激しい低速コーナー区間では良いが、タイムを詰め所でもある中高速区間で速さを出せていない。完全ではない膝の曲りのため思い切りマシンを倒し込めていないのも少なからず影響している。
何はともあれ、決勝は徳留にとって久々のフロントロー3番手からのスタートとなった。



4月10日 日曜日 天気:晴れ 路面コンディション:ドライ
ウォームアップ 2位 1’00”483
このウィーク中最も早い8時からのウォームアップ走行。予選時からリアサスペンションのセッティングを若干変更しコースイン。 路面温度もまだ低く、タイヤのグリップはもう一つ。しかし誰よりも早いペース上げでトップタイムをマークし走行を続ける。
最終的には僅かにタイムを更新され2番手となったが、まずまずの調子。決勝に向け微調整を行い決勝に挑むこととなった。



徳留はフロントローイン側のグリッドから目の覚めるようなスタートを決め、トップで1コーナーへ進入。久々のホールショットを決める。
バックストレートエンドでKTMの古市にパスされ2番手でコントロールラインを通過。その直後の2周目の1コーナーで古市をパスしトップを奪回。
3周目の1コーナーではポールスタートの栗原にパスされるが、ぴったり喰らいつく。4周目の第一ヘアピン立ち上がりでリアを大きく滑らしてしまい、加速で遅れた隙に小室に前に出られる。
それ以降、3台のトップ争いは順位の変動の無いまま1’00秒前半で周回を重ねる。後方4位以下へは10秒以上引き離している。
2人の後ろで終盤の攻防に向け様子を伺がっていると思われた徳留であったが、レース終盤となる20周目あたりから若干遅れ始める。
トップを行く栗原は僅かなリードを守り切りチェッカー。小室が2位。約2秒遅れで徳留が3位に入り、実に2013年のオートポリス以来の表彰台登壇となった。
徳留真紀のコメント
久々の表彰台で素直に嬉しいです。支えてくれたチームの皆に感謝です。
そしてこの体制を作って頂いたチーム代表の松永氏に感謝しています。

レースの内容は勿論優勝を狙っていたので、最後遅れを取り勝負も出来なかったのは悔しいです。
後半の勝負に向け2台の後ろで様子を伺いながら膝とタイヤの温存をしていましたが、逆にグリップが落ちペースを上げられなくなってしまいました。走り込みとセッティング不足です。
この冬の間に古傷の状態が悪くなり、開幕までに集中的に治療し何とか直前にようやくマシンに乗れる様になりました。
現状はイン側のステップ上でつま先を踏み替えられず路面に擦ってしまう状態ですが、それでも表彰台を獲得出来良かったです。しっかり治療して次戦のもてぎでは万全で戦えると思います。

今年はチャンピオンを獲るために優勝と毎戦表彰台獲得が目標です。

皆さまの応援とご協力に心から感謝致します。